夕日から 色を盗んで 散る紅葉。

対話4

『お前は私の事ばかり聞いているが、本当は自分の事が知りたいのではないか?』

『そりゃーこの世界の持っている意味とか、私は何の為に此処にいるのか、そうした事を知りたいと思った事は何度もありますよ。
でもそんな事は誰も知らないのです。誰しも、そうした疑問があることさえもう忘れていますよ。』

『この世界をお前に解る様に話そう。この空間は小さくて大きい、軽くて重い、遅くて早い、近くて遠い、暗くて明るい、少なくて多い、無くて有る、と言う様に相対的な空間で絶対というものが存在しない場所なのだ。』


『死は絶対じゃないんですか?』

『生と死は繰り返しながら生きているのだ。お前の体の中でも毎日数万の細胞が死にほぼ同数の細胞が生まれている。同じ事がこの空間にも言える。尺度を変えて見れば人も細胞になる
自分にこだわると自分が見えなくなるのだ。死は体からの解放と思えば良い。』


ねえママ!
神様は何の為にこの世界を創ったの。

『神様がどうしてもやりたい事があったのよ。』
この世界を創るのに七日かかったと聞いたけど?
『それはウソよ。神様に時間はないの、思っただけで実現するの一瞬にね。』

『だから不完全な世界と人の形をした人が誕生したのよ。』

人の形をした人ってなーに?


*やっぱり小説の印象とは違った物になってしまいました。ストーリの楽しさが消えてしまい、小説を構成しているテーマの羅列になつてしまいました。なので後2回で無理矢理まとめて終了の予定です。